新しく見つけた“夢”

 2011年末、屋内の解体作業をした時、依頼者のお母さんから聞いた話です。

「ここは元々酒屋さんだったの、津波が来る前まではね。今はもう、見る影も残っていないけど...。」

 休憩中に、お母さんが震災直後の時の話をしてくれました。

「津波が来て店が全壊して、営業できなくなったの。

 見ての通り商品も全部やられちゃったから、再開は難しそうだなと思ったから、主人に話したの...。」

 話によると、酒屋さんというのは元々、ご主人がお酒好きだったので始めたようです。なので、ご主人にとって“酒屋”というのは、単なる“仕事”にとどまらず、“趣味”であり“楽しみ”であり、“生きがい”だったようです。なので、再開が難しいという旨の話ををご主人に切り出すことが、なかなかできなかったようです。

 

「...いろいろ考えたけど、結局閉店するしかないかな、と思ってね。

 でも、それを話した途端、主人はすっかり元気を無くしちゃったの。

 何に対してもヤル気が出なくなっちゃって、主人から笑顔が消えちゃったのよ。

  ...しばらく経っても元気にならなくて、完全に鬱になっちゃったの。

 

 でも、そんな時に主人を救ってくれたのがボランティアさんだったわ。

 朝早くからお店に来て、必死に掃除をしては、笑顔を残して帰って行く。

 それに、お店もドンドンきれいになっていくから驚いたわ。

 ある時、 “これなら、頑張ればお店を再開できるかもしれない” と思ったから、主人に話したの。

 そしたら(主人が)希望を持ち始めてね。見違えるように、ドンドン元気を取り戻していって...。

 今では、お店の営業再開っていう “夢” を持って、前進しているのよ。」

 

 

 そして、数か月後...

  このお店が、リニューアルオープンを果たします... 【つづく】

 

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