3月3日(第1次 3日目)活動報告
地震により家全体が突き上げられた結果屋根瓦が全体的にずれてしまったみたいです(-_-;)
割れたり落ちた瓦は1枚もありませんが全体的に雨漏りがひどいそうです。
瓦は桟木(さんぎ)という細い木に1枚1枚引っ掛けてのせていきます。このように全体的にずれてい屋根はその桟木(さんぎ)が折れて瓦の引っ掛かる所がないケースがほとんどで、ズレた瓦を元の位置に戻すためには全ての瓦を降ろして桟木を治すことからやらなくてはいけないためボランティアでは屋根の裏全体にシートを張り雨漏りを防ぎます。
このように上から見ると瓦が波打っているのが分かります。このように瓦が波打つと瓦と瓦の間に大きな隙間が出来て雨が降るとその隙間から雨水が侵入して雨漏りの原因となります。屋根裏は日当たりも悪く通気性も良くないので湿気がたまりカビが生えて腐食が始まります。
京都の大工さん考案の「東北方式」という福島県災害支援のために考案された新しいブルーシートの張り方で屋根の裏全体にブルーシートを張ります。
東北方式は何枚か間隔をあけて屋根瓦を外します。外した個所に瓦と同じくらいの厚みのある角材とアシスト瓦をビス止めしてその上に胴縁(細い杉の板)をビス止めします。
胴縁の上にブルーシートをタッカーという大きなホチキスで弛みのないように止めていきます。
そしてそのブルーシートの上から下の胴縁の上に胴縁をビス止めします。
これが東北方式です。
昨年の熊本県では「熊本方式」という張り方が生まれ、その前の千葉では「ルーフィング方式」や「新茨木方式」に土嚢袋を乗せる新しい方式が誕生したり大阪では「茨木方式」「新茨木方式」「ずぼら方式」が誕生しました。このように災害の度に新しいシートの張り方が考案されていく理由があります。それは年々暴風雨の力が強くなっているため大阪の時に通用した張り方が千葉では通用しなくなっているし千葉の張り方では福島県では通用しなくなっています。それは単に気候や風土、地形的なものだけではなく自然災害の猛威が年々強くなっているように感じます。そのためシートの張り方も年々変わっています。また屋根瓦業者が年々減少と災害が広範囲でしかも被災件数が甚大であるため少しでもブルーシートの劣化年数を伸ばす必要があります。
今回の住家被害件数は2月13日福島県沖地震と3月20日宮城県沖地震の被害件数を合わせて福島県全域で11,097件。私たちが支援した新地町で1,374件(3月26日福島県危機管理部災害対策課発表)です。そして作業をより安全に行うためです。被災地での作業に絶対安全という作業は一つもありません。特に高所で行う屋根作業は災害の度に事故が発生します。また突然天候が変わり作業中に吹き飛ばされそうになることもありますので年々シートの張り方も考案されています。