震災を通して出会ったもの

2011年夏と2012年冬にUPeace(被災地ボランティア)に参加したメンバーの体験談を紹介します。

 

――――【以下、メンバーの体験談】――――

 震災が起きた2011年3月11日、揺れている様子を動画で撮り、友達と何回も見ました。

 「神様は私たちを見捨てたのか...」

テレビを見ても、新聞を見ても、ネットを見ても実感が湧かない。やがて無関心になり、他人事のようになりました。募金している人を見ても偽善だと思うようになっていました...。当時の私にとって、震災は神様を見失うきっかけとなりました。

 

そんな時、UPeace(被災地ボランティア)の話を聞きました。

 「神様はもう信じない...そう思っていた。けど...」

私には、一つだけ確かめたいことがありました。

 「...なぜ、こんな悲惨なことが起きたのか?」

何かの衝動に押し出されるように、被災地へ向かいました。 

石巻市内に入った時、私たちを迎えてくれたのは大きな花火でした。その日は偶然、年に一度の夏祭りの日だったのです。

 「この期間は、“何か”がありそうな気がする...」

そんな思いを胸に秘めつつ、被災地ボランティアがスタートしたのです。

 

ある日は、夏の暑い日差しの中で、たくさんのボランティアさんと、生々しい家庭用品が埋もれている側溝を泥にまみれながら掘りました。

ある日は、多くの人が亡くなった地域へ行き、ぐちゃぐちゃになった墓地を掃除しました。人がいない。動物がいない。そんな地域をたくさん見ながら少しづつ現実を受け止めていきました。

ある日は、さまざまな宗教のひとたちと話しました。仕事を辞めたり、生活を捨ててまで復興の為に駆け付ける人もいました。何の報酬も求めずに、ただ汗を流し、現地の人たちに笑顔を与える。そんな人たちと過ごす場所が、自然と温かく、居心地のいい場所になっていた気がします。

“復興”という共通の目標を持てば、こんなにも皆が、本当の家族のような深い関係になれるのだ、と衝撃を受けました。”絆”を肌で感じたのです。

 

あっという間に、前半の活動が終わりました。

 「この地を、もっと復興させたい。

  その先に、何かある気がする...

  まだ、私が気付いていない“何か”が...」

私自身の心が、少しづつ変化していくのを感じつつ、後半の活動に向かっていくのでした...

 

――――【次回に続く】――――

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