東日本大震災で被災した地域の商店街で聞いた“地元土産”に関する話の抜粋です。
≪以下、現地の方の話≫
【写真】 震災から約1ヵ月後の様子(石巻市門脇町)
・・・震災直後は、がれきが街中にあふれて悲惨な光景でした。メディアでも多く取り上げられて、現地の方の生々しい声が飛び交っていました。誰しもが “生きる” ということに必死でした。しかし、一方でそれは、多くの人たちの共感を呼んだ気もします。ボランティアさんもたくさん来てくれたし、近隣住民で助け合ったし、被災地関係の物はよく売れました。「被災した地域の地元土産です!」、「復興グッズです!」 と言えば振り向く人や、買ってくれる人も多かったです。
【写真】 震災から約2年後の様子(上図と同じ場所から撮影)
震災から1年が経ち、2年が経ち...時間の経過と共に、町からがれきが消えていきました。この地域にも笑い声が飛び交い始めたし、少しづつ震災前の日常を取り戻し始めました。平和な日常に戻るにつれて、メディアも取り上げなくなりました。復興が進んでいること自体は素晴らしいことです。しかし、それと同時に「被災地の地元土産です!」、「復興グッズです!」というフレーズで人々は振り向かなくなりました。しまいには、被災と関係無いのに“復興”というフレーズを利用して、自社商品の売り上げアップを狙う業者まで出てきた時は、怒りを通り越してあきれましたね。
他の地域でお土産屋さんの前を通った時、ふと耳に入ってきたフレーズは … 「な〜んか、ある種のブームが去ったような感覚だよね〜」 それを聞いた時は、妙に共感する思いがわいてきましたよ。
【写真】 地元土産の話に耳を傾ける人たち
消費者であるお客さんの多くは、“災害直後の目線” から “一般的な目線” になってきました。 つまり…
× 復興が進むから買う ⇒ 〇 物が良ければ買う! …ということは、被災した商店では今後、“守りの姿勢” ではなく “攻めの姿勢” に挑戦していかねば、と私的には感じています。
× 復興にからめた商品戦略 ⇒ 〇 本当にいい物を作る商品戦略!× 復興にからめた宣伝 ⇒ 〇 地域の持ち味を生かした宣伝!
「被災した地域に再建したお店... そこに置いてある、何気ない一つのお土産... ここに、如何にして“こだわり”を持たせるか...!?」
【写真】 地元土産が並ぶ商店
被災地の復興度合が目まぐるしく変化している中で、お土産屋さんの経営戦略も目まぐるしく変化していますね...
≪以上、現地の方の話≫