ボランティア活動のビフォア&アフター

 常総市で災害ボランティアをした時の、現場における作業前後の変化をいくつか紹介します。

 

―――――――――――――《 家財道具の洗浄 》―――――――――――――

 ブラシや高圧洗浄機などを使い、机、椅子、棚、ソファー、工具、園芸用の道具など様々な家財道具を洗浄します。洗浄後は、これ以上さびないようにするため、雑巾などで拭いて水気を取ってから片付けます。

 ⇒⇒⇒                [作業前]                          [作業後]

 

 

――――――――――――《 家財道具の運び出し 》――――――――――――

 屋内にある被災した家財道具を、屋外に運び出します。服や布団、畳、ベッドなどの水を吸う材質のものは、重さが2倍〜3倍くらいになります。タンスや窓などは、隙間に泥水が入り込むため、扉が開かなくなることが多いです。更に、床は泥だらけで滑りやすくなっている場所が多いです。

 

 ⇒⇒⇒                [作業前]                          [作業後]

 

 

―――――――――――――《 床板の撤去 》―――――――――――――

 バールやハンマーを使って、床板を一枚づつはがしていきます。板を割らないように、1枚づつ丁寧にはがしていき、床板の下にある断熱材も撤去していきます。撤去後は、取り残した釘を抜いていきます。力より技術が必要になる作業です。

 

 ⇒⇒⇒                [作業前]                          [作業後]

 

 

―――――――――――――《 床板の泥出し 》―――――――――――――

 床下のスペースは狭いため、大きな作業道具は使えません。園芸用の小さいスコップや片手用のクワなどを使い、少しづつ泥を集めて撤去していきます。家の被災状況次第で、溜まる泥の高さが1cm程度の場所もあれば10cm以上の場所もあり、その量には天地の差があります。

                 [作業前]                          [作業後]

 

 上記以外にも、被災した学校のグランド整備、支援物資の仕分けや運搬、避難所の運営補助...など、現地からのニーズに応じて作業内容は様々です。

被災から得た2つの教訓

 茨城県常総市で活動した時、自宅が被災した人から、被災経験から得た教訓を聞きしました。

 

 今回の災害で学んだことは、やっぱり自立心だね。

 私も自分が被災したから分かったんだけど、被災直後の自宅を見ると、自分ではどうしたらいいか分からなくなったのさ。うちは、床上50cmも泥が堆積しててね。その光景を最初に見た時は 「もうダメだな〜」 って、お先真っ暗になったよ。

 でも、この地域は役所から近所の人までみんな被災してるから、待ってるだけじゃ誰も助けてくれないのさ。結局、自分自身で向き合うしかないから 「何があっても、自分が責任を持ってきれいにするぞ...」 と覚悟を決めて取り組み始めたんだよ。すると、不思議なことに、最初は1人だと思ったんだけど、少しづつ周囲からのサポートを受けれるようになって...あの、山のようにあった泥が、今では全部片付いたんだよ。

 自立しようとする気持ちは、大切だな〜ってしみじみと感じたよ。

 

 あともう1つは、プラス思考だね。

 私は会社を持ってるから、普段は頭で考えて分析するクセがあるんだけど、被災直後は考えてもダメだったね。周囲の環境がマイナス過ぎて、いくら考えても改善の糸口が見えなかったんだよ。逆に、考えるほど不安が増して、深刻になる一方だったね。一度は会社をたたもうとさえ考えたから。あの時ほど、鬱になる人の気持ちを理解できた時は、今までの人生で無いよ。

 「これ以上考えたら頭がパンクする」 と思ったから、逆に開き直ることにしてね...「まあ、いつか何とかなるさ!」 の精神で、バカなくらいのプラス思考で、あまり考えないようにしたよ。でも後から振り返ってみたら、それが良かったんだよね。プラス思考に切り替えると、まるで運気が来たみたいに物事が好転し始めて、今では会社再開の目処が立ち始めてるんだよ。

 

 (堤防決壊から)2ヶ月経って、何とかここまで来たかって感じだね。今回の災害は本当に大変だったけど、そこから得た教訓もたくさんあったよ。

 

その中でも...

     自立心 プラス思考

                ...苦労して学んだことだから、これからの人生に生かさなきゃね。

 

 話をお聞きしながら、自立心やプラス思考の重要性を感じました。

次は自分が駆けつけたい

 茨城県常総市の災害ボランティア活動をした時、現地の依頼者さんから聞いた話です。依頼者さん宅は決壊した堤防の近くにあったため、家や倉庫の中に土砂がたくさん流れ込んだようです。

〇絶望から希望へ

 (被災後に自宅へ戻ってみると)建物の外観は大丈夫でしたが、屋内は被災してグチャグチャでしたよ。その光景に圧倒されたのですが、「とりあえず何とかしなきゃ」という思いになって、できるところから片付け始めたんです。でも、なかなか片付けが進まなくてね。諦めかけていたある日、ふと近所を見ると、ボランティアさんが作業している光景を見たんですよ。「もしかしたら、自分も頼めるのかな?」と思ったので聞いてみると、うちにもすぐ来てくれたんですよ。本当に助かりましたね。

 

 最初は10人来てくれたんですけど、うちに泥がたくさんあるのを見て、次の日は20人以上来てくれて...聞いてみると、いろんな人たちがいましたよ。20代から70代まで老若男女問わず、北は東北、西は関西・九州からも駆けつけていて。ボランティアは初めての人が意外と多かったのには驚きましたね。

   

 数日手伝ってもらうと、あっという間にこうなった(泥や片付いてコンクリートが見えてきた)んですよ。最初は「もう、何もかも終わりなのかな...」って “絶望” してたのにもしかしたら、またここに住めるかもしれない」って “希望” が見えたんですよ。 “人の力”ってすごいですね。

 

 

〇変化した自分の気持ち

 実は私、2011年の東日本大震災の時に、ボランティア “する側”で現地に行こうとしたんですよ。でも、自分はボランティア未経験だから逆に迷惑をかけるかな...とか、ここからだと結構距離もあるしな...と思って、結局、一歩が踏み出せなかったんですよ。今からしてみれば、あの時の自分は勇気を出せなかったんですね。

 

 でも今回、ボランティア “してもらう側” の立場になって、ボランティアの大切さをすごく身に染みたんですよ。そこで 「3.11の時、なぜ自分は行かなかったのか?」 という後悔の思いと、「今後、日本のどこかで災害が起きた時は、次は自分が行かなきゃな」って、すごく思いましたね。

 

 以上です。助け合いの輪は、こうして拡大していくのだと思いました。