遺言だと思って聞いてほしい

被災した方から聞いた話です。

「皆さん、わざわざここ(被災地)にボランティアで来てくれてありがとうございます。とても助かります。でも、ここ(被災地)で頑張って帰るだけでは、点数にすると100点満点中で50点だと私は思います。なぜだと思いますか?その理由を、私の遺言だと思って聞いてほしいです…」

語られる姿から、すごく熱意が伝わって来ました。

「最近私は、被災地ボランティアに来て下さった方は二つの使命があると思っています。
1.被災地に来て復興のために精いっぱい努力すること
2.ここから教訓を学んで、地元に帰ったら行動に移すこと
つまり、1をやっただけでは、100点満点中50点だということです。」

とても真剣な眼差しで語られていました。

「2の教訓は、いろいろあると思います。皆さんはそれぞれ、住んでる環境も違えば、ここに来る心境も様々、ここに来て感じる内容も人それぞれなので、そこから学ぶ教訓は千差万別だと思います。中には“教訓と言われても難しいな〜”と思う人もいるかもしれません。」

「でも、ここは普段の日常生活とは違う非日常なので、普段はならない心境になったり、普段は学べないことを学べたり、普段は見えない自分の新たな一面が見えたりしやすいと思います。それを全て、教訓だと思ってください。」

ちょっと間が空いてから、こんなことを話されました。

「最近、ボランティアに来る人には、この話をよくしてるんですよね。説教じみてると思うかもしれないけど、なんで私がこんなことを言うと思いますか?それは、供養になると思うからです。」

このかたは、震災で親族を亡くされていました。

「最近よく、“震災で亡くなった方を供養しよう”という話を聞きます。でも私は、お墓に行って線香をあげて手を合わせるだけでは本当の供養にならないと、最近は思うようになりました。皆さんがこの地(被災地)を訪れて、そこから何かを学んで、学んだことを自分の今後の人生に生かしてこそ、先祖もうかばれるというか、本当の供養になると思います。」

そこにいたメンバーたちは、いつの間にか、皆真剣な表情になっていました。

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