テント生活の隣人

震災直後から半年間は、石巻市に来たボランティアさんは石巻専修大学のキャンパス内にテントを張って生活していました。一つのキャンパス内に数百のテントが張られていたので、キャンパス内を歩き回るだけで、北は北海道から南は九州、韓国や台湾や中国、アメリカやヨーロッパ、中には日本語が全く話せない人たちまで、いろんな人たちとすれ違いました。
なので、私たちのチームのメンバーは時間が空くと、よくいろんな人に笑顔で声をかけていました。

そんな私たちのテントの隣にテントを張っていた方は、「隣の若い人たちはいつも元気だから頑張ってるな〜と感心したよ」と言われていました。私から見ると、もちろん、メンバーたちは元気に頑張っていましたが、作業日数が重なると、当然疲れもたまってくるし、あまり元気がない日もありました。しかし、そこから元気をもらっていたという話を聞いた時はありがたかったです。

…それから時が経ち、キャンプ場に場所を移してテント生活をスタートしたころのことです。ある現場で屋内の解体作業のお手伝いをしていたのですが、休憩中に他のチームの方から声をかけられました。振り返ってみると、専修大のテント生活時代に隣のテントに住んでいた方でした。髪型が変わっていたため最初は気付かなかったのですが、向こうから話しかけられて分かりました。

そこで、「まさか統一教会だったとは思ってもいなかったよ」という話になりました。私たちは、作業中だけ統一教会のジャケットを着るようにしていたので、テント生活をしていた時には、私たちがどの団体のチームなのか分からなかったようです。

そこで、統一教会の話題になりました。
「統一教会は、ちょっと前の頃は、内輪だけで何かしていて、よく分からなくて怪しいイメージの団体だった。でも、みんなを見ていると、他の人とも元気に喋るし、遊び半分ではなく、一生懸命にボランティアを頑張るから、最近は統一教会もだいぶ変わってきたんだなと思うね」という話をされました。

私はこの時、どんな環境の中でも周囲の人の為に尽くすのは尊いことだと思いました。しかし、それが “できたか?できなかったか?” よりも、そうしようとする “姿勢を持つこと” の方が重要だと思いました。

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